『随神』英訳をピアプロ公開

英語版の意味

ここからは英語学習/翻訳むけのお話です。

まずは先の日記、【歌詞翻訳】随神(かんながら)の英文を、日本語での表現として原文と比較してみましょう。

 

随神(英文をほぼ直訳してみたらこうなる)

 

神の詞に満たされた 風吹く大地の上を

その言の葉ひとひら探しつつ

闇の深淵を彷徨いつつ

心の最奥に光はその社を定めぬ

扉を開き、己を知るべし

 

荒れ果てたる道を 取り留めなく歩くさま

これなる旅人らの 歩きゆきすぎるが如し

愛を求め手を伸ばすも しまいには傷受ける

哀しみの中 絶望の傍ら

しまいには傷受ける (*メロディに乗せやすいよう、繰り返ししました)

 

この世の始まりのときに

神々の詞は息づく

その音に気づくこと

この意味を知ること

 

できるならば…

 

生れ落ちたときに

囁いたあの御方の凝視を

いまだ感じながら

じっと注がれるまなざしを

裏切るようなことはしないようにしようと

日々を(そう=願い)し続けている

 

時の流れは苦痛を洗い流す

全ての哀しみを この背骨から (*英語表現では『痛めつけられる』とか、『老年の苦痛』を背骨にかけてよく用いるため、spainの語を採用)

存在の外側へ

全ての悲しみを洗い流す

 (*直訳ではないが、wash ~ outの表現と、out ofをかけた表現。また、wash outの目的語を必要としたため。無へ返すという訳語は該当する直接表現が歌詞としてはすごくぎこちなかったんです。)

 

この世界の果てから果てまで

神々の詞は息づく

その声に気づくこと

価値を知ること

 

できるならば…

 

目覚めし新たなる現実と この眼が

日々を歓びとともに見つめる

この歓びを裏切るようなことはしないようにと

誓いながら日々を(そう=誓い)し続けている

 

地平線より太陽がのぼり

暁の声ははるか響き渡る

太陽神アマテラスは微笑んで私を起こす

緑の大地を賦活する

 

空虚な幻影は崩れ…

 

「時はきたれり、かんながらのとき」

と貴女は人多き地上を見下ろしつ

じっと注がれるまなざしを

裏切るようなことはしないようにしようと

日々を(そう)し続けている

 ( *thou=そなたは、としても良いのですが、先の太陽神アマテラスとした表現の流れを受けて、あえてここは女性への呼びかけとします)

 

生れ落ちたときに

囁いたあの御方の凝視を

いまだ感じながら

じっと注がれるまなざしを

裏切るようなことはしないようにしようと

日々を(そう)し続けている

 

あなた様の道を往かんと

 

(ここまで)

 いかがでしょう? 英語ならではの工夫など、感じていただけましたでしょうか。

私はタゴールの詩集『ギターンジャリ』英語版や、ペトラルカ(ユマニスムの父、ルネッサンスの祖というに相応しい著述家)の現代英語訳本をネットで読むのが大好きです。著作権保護期間切れてますからね。

そうした本のなかに溢れる、神様(一神教じゃない意味で)への敬愛や、純朴な心の表現は、本当に素敵なものばかり。まことに魂のご馳走とでも申しましょうか。

774Pさんは、歌詞つくりの段階で色々な情報をお調べになったそうです。

「わざと固有神名は出さない方針で。色々と世界主要地域の伝承や宗教を調べていて、仏教の釈迦も日種、陰陽五行も神に当たるのは心臓(火=太陽)、アンデス地域、エジプト、日本の神道・・・と多くの地域が「太陽神」をモチーフにしてますので、固有名詞を出さないとしてもイメージが伝わって良かったです。また、アマテラスオオミカミがニニギノミコトに手渡し、伊勢神宮の御神体にもなっているものが鏡ですので、神=自分自身の心という側面もあります。そういう意味も含めて、随神という曲名にして(以下省略)」

深いです。その深さがほどよく現れた歌詞と曲です。

わたくしが上記のように書いた理由は、主語が『女神』であるようにほのめかす「Her」の解説です。いわゆる固有名詞レベルでは出さぬように。本来の英語意味だけ、素直に日本語にすると、

「地平線より太陽がのぼり暁の声ははるか響き渡る(女)神は微笑んで私を起こす緑の大地を賦活する」

 

という感じになりましょう。 神=自分自身のほんとうの心という解釈、本当に興味深いことです。

 

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