【例題】
人間のヒットポイントは100であると仮定します。
たいていの物事で他の人間に合わせられる、または最初から多数派側に立つ人間は、同意できない物事に直面しても、物事1つにつきダメージを10しか受けません。
ある種の物事ではどうあっても妥協ができない、または少数派の側に立つ人間は、同意できない物事に直面すると、物事1つにつきダメージを15受けます。
なお、少数派の側であるということは、多数派が『当然のこととしている物事』がダメージ源になります。
ヒットポイントが0になると死にます、さて死にやすさはどちらが高いでしょうか?
というわけで、切身魚より嫌な問題を出題させて頂きました。
日本というこの国の人権意識が、どれだけ脆弱な、上っ面だけのものであるかは、よく存じております。職場の人権講習会などで悲惨な事例を見聞きしても、身近な人の『同意できない物事/ダメージ源』に関しては、
「ただのわがまま」
として片付けてしまうのです。
具体的な例をあげましょう。
切身魚は、ベジタリアンです。厳密な区分で言うと、乳製品及び卵はOKな、魚介類の大半及び陸上動物の肉を食べないタイプのベジタリアンです。
同時にアルコールが致命的な体質で、かつブッディストなので酒を飲みません。
年に1度か2度の、会社の上役が出張ってくるような集まり事に対しては出席しますが、一事業所内の歓送迎会(しかも焼鳥屋)は欠席しております。
あまり不義理を重ねるのもよくないと考えました。
というか、胃に穴が空きそうなほど考えて結論を出しました。1度など、欠席した時の参加費を全額支払うことを申し出ましたが、幹事から許可されませんでした。
そこで出した結論で、このほど、県内では割と有名なお菓子屋さんのお菓子を、事業所の人数分、差し入れとして持参しました。
すると先輩の1人が、
「仕事の延長なのだから出席するべき」 「業務とは関係ないプライベートな側面が見られるかもしれませんよ」「それも大事なコミュニケーションです」
といったようなことを述べました。
胃に穴が空きそうなほど考えて出した結論と、支払ったお金両方を否定するような言葉ですね。
管理者クラスが上記のようなことを言ってきたら、ICレコーダーで録音して労務者に苦情申し立てもできるのですが。先輩ってところがミソですね。
実際には、事業所管理者クラスは、
「(切身魚本名)さんが参加しても食べるのないでしょう?きついですよね」
と理解を示してくれています。
さてここで例題に舞い戻りましょう。
もし管理者クラスが、理解を示さなかったらどうでしょうか。ヒットポイントが100である人間に対して、
・ベジタリアンであると知っている相手を、焼鳥屋の飲み会に「執拗に」誘う ダメージ15
・代償行為として持参した差し入れを前にして、 「否定するような言葉をかける」 ダメージ15
この時点で、ダメージが30あります。