mRNAワクチン、そんなに怖い?

mRNAワクチンを遺伝子ワクチン、と呼んで「何があるのかわからない」と不安がるツイートを目にしたのです。

ハイ、ここでまずツッコミますよね。

そもそも『遺伝子ワクチン』じゃないでしょ。
遺伝子=DNA。全部入ってる。
mRNA=DNAから読みだされた情報の『一部』。このmRNAがリボソームに送られ、タンパク質が作られる。

高校の生物および、中学の理科を再履修することをお勧めします。が、コンパクトな読み物はこちら。

リレーエッセイ『遺伝子とは何?』https://www.ssu.ac.jp/relay-essay/20151120/

ちなみに、リボソームでは、詳しく言うとこういう仕事してるよ!

遺伝学電子博物館 『リボソームとは?』https://www.nig.ac.jp/museum/dataroom/translation/01_introduction/index.html

今話題のmRNAワクチンは、先のリボソームに、 『ウィルスの外面にそっくりなタンパク質を作ってくれ』情報を運ぶ。
→リボソームが解読して、『ソックリお面』を作る
→身体は『ソックリお面』を異物認定。異物排除のために抗体をつくる
→ウィルス迎撃の準備完了。発症に至る前に撃退できる(免疫がつく)

mRNAワクチンを『遺伝子ワクチン』と言ってむやみに怖がる前に、今年度の高校の『生物』教科書をお読みになることをお勧めします。 科学の知識は日進月歩で更新されており、その中でも『教科書に載るレベル』は、学会はもとより世界中で検証された内容だからです。

学会にすら発表してない、未検証の説よりは信じられる内容です。私は、近所のオッサンオバチャンらがテレビで受け売りした内容より、今年度の教科書を信じますね。40年前のうろ覚え理科知識で論じてる話よりも信じられる。
今はね、遺伝情報の発現に『優性/劣性』じゃなく『顕性/潜性』って言うんだって!

両論併記というのは、デマと科学を一緒くたに並べることじゃないのよ。

ちなみに、『DNAワクチン』というのも別途あります。後半の細かい説明はさておき、前半の『既存ワクチンと、mRNAワクチンやDNAワクチンの違い、メリット』はおすすめ情報です。

日本最大の化学ポータルサイトChem-Station  mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)https://www.chem-station.com/chemglossary/biochem/2021/01/mrnavaccine.html

本物のウィルスが入ってきてから、抗原抗体反応起こすんじゃ、
  病に侵される速度 > 体力(抗体つくって抵抗するパワー)
で負けちゃう。これを何とかするために、 「先に弱っちい病原体入れて、抗体を作って備える」戦略。
その時使う『弱っちい病原体』が生ワクチンや不活性化ワクチンの中身です。

これまでは『弱っちい病原体まるごと』使用してた。

でも化学は進歩した。
『病原体を識別するためのタンパク質(スパイク)』だけあれば、『抗体が作れる』ことが分かった。
→ 『スパイクを体内で生産するよう指令書を送る』ことで、『病原体まるごと』のリスクもなく、抗体作ろう!
→mRNAワクチンやDNAワクチンができました!(今ここ)

『弱っちい病原体まるごと』の時代より、はるかに早く、たくさん抗体ができる。 もちろん安全性はたくさんの人が参加して、確かめてきた。ゼロじゃないが、ほかの予防接種とかより高いわけでもない。
一番大事なのは、「悪い反応が起きたりしたら、法律があって、訴えて補償されるよう守られてる」ってこと。

「不妊になる、副反応を訴えても無視される」
等、HPVワクチンの時と同じデマを信じちゃいけない。

不安に駆られてワクチン受けずに、コロナにかかって、仮に生き延びても、肺をやられて歩くのもつらい日々になったとしても。
そこにあなたを守ってくれる法律はない。
不安をあおった人は、あなたの被害に何も償わない。これはがんの民間治療で起きてることと一緒なんだ。

次のページは、おまけ情報。

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