経産省のトランス女性トイレ判決の話

判決はこちらから全文読めます。

トランスジェンダーの、特に女子トイレを利用したいトランスジェンダー(身体男性)の問題 『個別事例』としてはまあ今回この通りの判決な……、うん。そうなんだー……です。ただ、最高裁判決なので影響力は大きい。

「トランス女性を自称する」性犯罪者の問題は、それはそれとして存在するって話はし続けますね。

TLで見かけたツイートとしては、法学者や憲法学者は歓迎する方向。ただし、そういう人たちは『性犯罪の抑止』という観点がないし、『オートガイネフィリア(女装した自分が好きな男性。性自認は男性。性欲の対象は女性。)がトランス女性に含まれる問題』も、検討した様子が見られない。

・厚労省通達「公衆浴場は身体性別で判断を」 https://mhlw.go.jp/content/11130500/001112499.pdf… ・上記の通達では海水浴場やジムの『更衣室』については規定してない ・活動家や運動家や一部ごり押ししたい勢は、そういう話を都合よく切り取る。

という点は指摘しておきますわね。

興味深いツイートは境 真良さんの連ツイ。

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やっぱり変だよ「女性エリア使わせろ」って主張

以前も『それでTERFって言うんだ?』に書きましたが、私の考えは変わっていません。

「性自認は女性です」って言いながら勃起したひととお風呂や更衣室、トイレを一緒に使わなければならない。 自分自身もですが、親族や友人が性犯罪の犠牲になる可能性は排除したい。

「性別を気にせず使える、ジェンダーフリーのエリアを増やしましょう」
までなら合意可能なのに、
「女性専用エリアを使わせろ」
には、どんな修辞を費やそうとNOです。深刻な性別違和を持つひとには、同情を寄せるとしても。
性犯罪を防止する。その一点においてNOです。

そしてありがちな『レズ女の性犯罪だってあるじゃないか』ですが、 『女同士なら対抗可能でも、身体が男性相手じゃ骨格と筋肉の量的に無理だから、女性専用エリアがある』 とお答えします。

MtFとして権利拡張したいなら、同じMtFではない、
・オートガイネフィリア(女装が好きだが、自認は男、欲望の対象は女性)による性犯罪の予防
・諸国で起きた『女性の権利侵害』に対して「女性としてはどう思う?」を想像

少なくともこの2点に答えを用意できなくては困る。結局「自分の思うようにしたい」だけではないか。

また、『トランス女性はスポーツで無双などしていません』という主張も、事実を隠しています。端的に言えば不誠実、極言すると嘘つきでは?

例えばこんな事例:トランスジェンダーの生物学的男性が、自転車レースで優勝と準優勝

例えば介護の世界でも、『理想は』同性による介助ですよ。特に入浴介助とかトイレ介助。 でも職員の男女比から、無理な状況ってあるでしょう。 現状の介護報酬体系では職員を数揃えるのは無理なんですよ。 そこを「お互い我慢しようね」でやりくりしてる訳です。『現実今の状況で』を頑張ってる。

パス度とか関係なく、「女の子クラブ」に入れる人は入れる。けど、「身体的にそれはちょっと」な部分はお互い分離、あるいは「ジェンダーフリーエリア」で我慢する。 そいういう社会実装可能な提案なら、まぁ議論しましょうか……になる。 「ジェンダーフリーエリアを増やして」じゃないからこうなる。

「ジェンダーフリーエリアを増やして」 じゃなく、 「女性専用エリアを、女性と言い張る犯罪者かどうかも分からない身体男性に使わせろ」 だからいけない。

人々の恐怖と反発をなだめようともしない。

そういう身勝手な『理想』には同意いたしかねる。

いちいち弱者アピール、あるいは被害者ムーブととられる話を公開するのもイヤンですが。 私自身が性虐待のサバイバーだから、ではないです。

公共のトイレ使うとき、左右の個室が無人なのか確認してから入るくらいは、特別嫌な経験してなくても、やる女性はやる。女性専用エリアでもそうせざるを得ない。

トランス女性(なぜかトランス男性は静かだよね?意味深。)のお気持ちには同情し得るとしても、そこで「トランスの気持ちはこうである」を言い募っても無意味なんですよ。

「社会に法律や制度として実装したさい、ハックしてくる悪意ある人をどのように処理するか」

人々の関心はそこ。

「トランス女性は女性です、女性用エリアを使わせてください(身体は男性ですが)」 これをゴリ押しし、他国自国の人権侵害事例は無視。 今いる人々、次の世代の安心安全を脅かしてる。

「性自認は女性です」って言いながら勃起したひと …と、お風呂や更衣室、トイレを一緒に使わなければならない。「それに文句を言ったら差別」と批判されるようになる。今はその瀬戸際。

自分自身もですが、親族や友人が性犯罪の犠牲になる可能性は排除したい。ただその一点を申し上げたい。

それでTERFって言うんだ?

議論の前に用語整理。

TERF(ターフ) 元はトランス排除的ラディカルフェミニストとはトランスジェンダーに対して排除、排斥的な立場を採るフェミニストのこと。なんだけど、今では『性自認が女性なら女性です』に反対すると、ターフ呼ばわりらしい。

トランスジェンダー 私がこの単語知った当時は、身体性別と精神的に自認してる性別(性自認)が異なるひと、っていう意味だった。最近では、オートガイネフィリア(女装している自分に興奮する異性装好き性癖)も含むらしい。

で、問題なのは『性自認が女性なら女性です』。

執筆時点での戸籍法では、子供が無い&SRS施術(性別を身体的にも移行させる手術のこと、とうぜん後戻りはできない)済みである&精神科医のカウンセリングを経ている等、様々な条件をクリアしてないと、『性自認関係なく女性が女性だし、男性が男性』ですな。

私は、身体性別が女性ではないひとに、『女性用』のエリア、とくに防御の低下する『トイレや更衣室、公衆浴場』には入ってきてほしくない。
一部のトランス活動家が、「前(男性器)をはさんで浴場にはいったが何も言われなかった」などの発言をしている件など、「や、それ周囲の女性が怖くて言い出せなかっただけでは?」と思っている。

また、MtF(Male to Female、男性から女性へ変化したいトランスジェンダーのこと)当事者の声ではなく、活動家が『性自認が女性なら女性です』を推進している声が大きいこと、には危惧を覚える。

なので、『性自認だけで性別変更OK』法案を通そうとする政治的な動きには、今のうちに『反対です』を表明しておく。他の政治的信条が異なり、何ならとんでもない反動的道徳保守だろうとも、反対票を投じてくれる人となら共闘するだろう。これは表現の自由を擁護する活動とも一緒。

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Reading:性同一性障害のフィットネス会員コナミスポーツクラブを提訴

「性同一性障害のフィットネス会員コナミスポーツクラブを提訴~みんなの反応」をお気に入りにしました。

第一の感想は『失望』です。少数者にも選択肢を用意するだけでいいのに、多数派の不快を強いるコメントに。

不快原理(危害には至らないが不快だから制限できるという法律の考え方)を拡大すると、「完パスじゃないとランスが、同じ更衣室にいると考えるだけで不快だ」となる。結局のところどんな不快であれ、言ったもの勝ちで誰かの行動を制限できることになる。それは多数者の専制であって、多様性の尊重じゃないんですよ。

児童ポルノ法の解説書にでてた『不快原理』のお話が、なんでトランスのスポーツクラブ利用にまで適用できるのかって?

「不快だからナニナニの権利は抑制できる。ってかそんなんただの我がままであって人権じゃねーよpgr」

という人が呆れるほど多いからです。
仮に不快原理を論拠にできたとしても、『非常に強い不快』に限られるべきです。また、それは推論や仮定であってはならない。現実に被害を主張できるひとがいて、合理的因果関係が認められる場合に限定される。「完パスじゃないトランスが更衣室に居て居心地悪い」は『とても弱い不快』です。
私企業の約款やルール運用に、
「実際に被害者が存在して、被害を経験したことによってもたらされる特定の不快」
を論拠とした『不快原理』を持ち込むなら、誰も裁判を起こそうとは思わないでしょう。それだって、
「今ある施設の運用範囲内でこういう工夫をすれば貴方も尊重できますが如何ですか」
が欠けているから、裁判起こさざるを得ない。
「誰も不快を訴えてないのに、『他の利用者様の不快を先回りして汲み上げました』」
という企業の非、
「尊重する工夫を放棄して、少数者に不便と不快を強いることで解決しようとする」
企業、多数者の非。わたしならこの2つを非難します。

自己評価がどん底なヒトには「もし自分だったらどうよ?」が通じないので、私はこう主張します。
「完パスかそーじゃないかに関わらず、顔の美醜も何もかもさておいて、誰でも利用できる民間サービスだったら、少数派の多様性を尊重してしかるべきでしょ?」

生物学でいうところの多様性や生存戦略の適用事例ではないので、先進国の『リアル』なお話を事例として上げておきます。

“Universal dressing room”か”Universal locker room”でGoogle検索してみると良いでしょう。私が見つけたのは下記の記事。

YMCA gets gender-neutral changeroom
http://www.dailyxtra.com/ottawa/news-and-ideas/news/ymca-gets-gender-neutral-changeroom-5809

これまでは『家族用』とか『障碍者用』としていた更衣室を、改装する際「トランスジェンダーのことも念頭に置いて」、本当にどんな性別でも年齢でも使えるよう、『ユニバーサル』にしたとあります。

「小さい娘を連れたお父さんや、小さい息子を連れたお母さんも、快適に使っていただけます。」

どんな利便であれ、『幅広くユニバーサルに』提供するには相応のコストがかかります。でもそれは「少数者優遇のために少ない資源を使いやがって」ではない。少数者も尊重している、誰にも使いやすい利便性は、全員の利益になる。その視点が欠けた考え方して、男か女かという二元論で話すからおかしくなる。

先のコナミスポーツクラブの事例に戻りますと。私の疑問は二つ。
・コナミスポーツクラブにファミリー用更衣室は無いのか、あるのか。
・あるなら→トランスジェンダー利用者に対し、ファミリー用更衣室の利用をお勧めしたのか、しなかったのか。

そして

・なくても→「使用時間をずらしたりして、女性更衣室の利用を図れないか検討する」くらいはしたのかって思うんですよ。悪いな、介護施設の職員たちは「利用者主体」で考えるんでね。*grin*

自分がトランスでもないのに、どうしてここまで主張するかというと。 「少数者も尊重している、誰にも使いやすい利便性は、全員の利益になる」っていつもいつも言ってないと、世の中はすぐ「多数者にとって都合がいい」方向に捻じ曲げられるからですよ。

おまけ:参考にした本『改正児童ポルノ禁止法を考える