脱水症対策 WHOの公式ORS(経口補水液)

WHOの公式ORS(経口補水液)のページリンクはこちらです。 高浸透圧レシピ推奨してきたが、虫歯や他の問題から、浸透圧を低めにしたレシピにしました、とのこと。
http://apps.who.int/medicinedocs/en/d/Js4950e/2.4.html#Js4950e.2.4
低浸透圧ORSを作るレシピはこちら。(英語)
http://rehydrate.org/ors/low-osmolarity-ors.htm

英語なので、レシピ部分だけ抽出しますと次の通り。
食塩2.6g
無水ブドウ糖(局方品などで薬局にあります)13.5g
塩化カリウム1.5g
クエン酸三ナトリウム2.9g
水1リットル

一般人に手に入りにくいアイテムが多いですね。
クエン酸三ナトリウムの二水和物なら食品添加物として、通販でも買えます。500Gが2000円程度とか。 食品添加物でもありますので、風味が良いという特徴もありますね。でもお高いものです。

WHO推奨レシピのORSでは、『クエン酸三ナトリウム』が2.9gとあります。これは高温多湿な国でも、安定して輸送・保存できる製剤にするため。実際には、『重曹2.5g』で代用できます。根拠はこちら。
http://www.popline.org/node/426907

重曹使用のORSより、クエン酸三ナトリウム使用のORSの方が、小児の下痢の際、8-14%ほど減少傾向にある、という程度の差があります。
あと重曹使用ORSの欠点がもう一個あります。 クエン酸を放り込むと、重曹と反応して食塩+炭酸ガスになっちゃいます。 振ったらいけない、混ぜてもいけない、ってことになっちゃいます。 そういう場合は、もう素直にクエン酸三ナトリウム使いましょう。

英語のORSご家庭レシピには、「8 teaspoons of sugar」=40gとありますが、これもショ糖に含まれるのがブドウ糖と果糖なので、「ブドウ糖換算で!」ということですね。 Glucose, anhydrous 13.5g、とWHOのレシピにある(http://apps.who.int/medicinedocs/en/d/Js4950e/2.4.html#Js4950e.2.4)ので、最低27gのショ糖が入ってれば取れるという、ちょっと乱暴な計算もできます。

ただ、ショ糖を分解して、ブドウ糖と果糖にするには酵素が働かないといけません。小腸で二糖類分解酵素(ショ糖を分解する酵素)が働けないほど、つまり下痢が重症だと、『ショ糖が分解できないまま→高浸透圧になってしまう→ORSの大事な成分、ナトリウムも吸収されにくい』という悪循環になります。
と言うわけですから、あまりに重い下痢の時は『ショ糖(白砂糖)』より、『ブドウ糖(無水結晶)』13.5gを放り込むほうがよろしいかと。
無水=水分0.5%以下 含水=7.5-9%までOK なので、13.5g放り込むのは『無水ブドウ糖換算』の量である点に、ご注意あれ。 無水、と書かれていないブドウ糖は、9%含水結晶で換算して15g放り込むのですよ。

農林水産省の『無水ブドウ糖』と『含水ブドウ糖』の、規格の相違はこちらでご確認いただけます。 http://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/kokuji/k0001027.html

お値段はというと、無水結晶ぶどう糖1kg リッチパウダー http://www.amazon.co.jp/dp/B007RSU2T2/ref=cm_sw_r_tw_dp_sEtVtb14AVWPPGVVお高いモノです。

ブドウ糖 500g メール便でお届け こわけや http://www.amazon.co.jp/dp/B00EHCHC1M/ref=cm_sw_r_tw_dp_rwsWtb1B4HE9KAJ 9%含水としても、無水13.5g換算で15g、カロリーは45.36kcalですので注文しました。

【結論レシピ】重曹使用のORSを作るならこうなります。 「食塩2.6g 砂糖40g(含水ブドウ糖なら15g)塩化カリウム1.5g 重曹2.5g 水1リットル」 塩化カリウムは通販で試薬を購入可能ですよ。

端的に言えば、等浸透圧より低浸透圧にして、砂糖と塩を放り込み、できるならカリウムとクエン酸もあると、クエン酸回路のための補給にもなりますよ。ということです。 砂糖で取るカロリーがお嫌なら、「無水ブドウ糖を13.5g放り込み、あとの甘味はゼロカロリー甘味料(商品名は各自調査のこと)」で代用なされませ。

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