先輩の介護従事者と、とある利用者さんがミッドウェー海戦の生き残りである話になった時のことです。
「あそこから生き延びたちゅーのに、どうしてあげえ根性無しかなぁ(落胆の表情) 」
というコメントが出てきたことです。
これがどんだけショッキングなことであるか。
Twitterでもちょっぴりつぶやきましたが、苦しみの種類は様々あります。
1つの種類の苦しみに耐えられたからといって、別種の苦しみにまで同程度耐えられるとは限りません。
「ある試練に耐えられたからといって、根性があるとみなし、別種の試練に同じ程度耐えるべき」
という論理は、納得がいきません。
『海軍に入ったら絶対にシュミレーションするはずの、船が撃沈されたら?という試練』
ならば、何をすれば良いか/してはならないか、少なくとも心の準備をできます。
まして、船が撃沈されたときって、 「自分にできる最善の手段」が、限られている。また、「自分にできる最善の手段」は、明白です。
一方で、
『信じていた家族に、だましうち同然に介護切に放り込まれる試練』
は、シュミレーションしてない人が多いでしょう。 ましてや、正面から対話してくれない家族に対して、どう接すればよいかも分からない。 「自分にできる最善の手段」が、明白でもなければ、あるかどうかすら、わからない状態なのです。
そういう種類の試練を、 『根性』 などという曖昧なもので、同列に論じてはいけないと思います。
ましてや、
『根性』を示して、その試練を踏み越え、乗り越えるべきである。
などと、期待すべきではないと思います。