共同親権法案が可決されましたが、手は緩められないですね

2024/04/14 民法改正で家裁の業務激増するけど、人員や予算はどうするの? に関して、国会の質疑がみつかりましたので追記しました。

共同親権 法案が可決されましたが、さてその中身を精査しなければなりません。

後々になって

「私たちは雰囲気で反対してた」

とか告白したくないですからね。 参考になるのが、寺田 学議員の一連のツイートです。 これでも文句をつけるのは、ちょっと難しいなって思うんだ。(立憲民主党の本多議員追放に一役買った、あの寺田 学議員です。思う所はありますが、今回この件については、読むべき内容と思い、ご紹介します)

ただ、家庭裁判所の負担が著しく増大するのは明白で、そのことは警告されてたわけで。


”離婚後共同親権を導入するのであれば、同時に家庭裁判所がその役割を適切に果たすことができるよう、人的・物的体制の強化及びそのための財源確保が不可欠” 札幌弁護士会の声明より

なのは当然なんだけど あれ、この辺の話はどこにあるん?
寺田議員のTLでは探しきれなかったので、直接メンション飛ばして質問してみた。 > 家裁の体制強化と財源の質疑はあったのでしょうか、って。

【追記】この質疑がドンピシャな内容でした。

要約すると

『民法改正で家裁の業務激増するけど、人員や予算はどうするの?』『最高裁/裁判所と意思疎通しながら調整します』

斎藤アレックス議員(維教)2024年3月15日 衆議院法務委員会|七緒 @nao302198765 #note https://note.com/nao302198765/n/n5d0b5bc79974?sub_rt=share_pw

意義ある質疑が行われたし、答弁内容は法律の条文や、逐条解説等の解釈、運用に影響する。 そこまでは同意可能です。
うん、これなら危惧していたような運用にはならなそうだな、って思えます。

問題は、『社会に実装する最前線はちゃんと資金と人員と装備を整えてもらってるのか?』ですよ。 つまり、家裁の体制は強化されている/される予定かどうか。
さらにこういう指摘もあります。

『法案が衆院で通ったからって、手を緩めてはいけない』ということです。

余談ですが、署名サイトhttp://Change.orgの署名 #STOP共同親権 〜両親のハンコなしでは進学も治療も引越しもできない!実質的な離婚禁止制度〜 は現時点で205,380筆でした。

http://Change.orgで『共同親権』(推進するのも含める)とか『子/連れ去り』とか検索したんですが、そういう署名は出てきませんでした。 はて、推進者たちはどこでどんな署名活動をしておられるのか。

一応”子ども 連れ去り”とGoogle検索で出てきたのが、 2013年の活動ですが、『子どもの連れ去り、親子引き離しを禁止する法整備を求める署名活動』というもの。 これには、5,500筆あまりの署名が集まったそうですよ。

https://oyakonet.org/signature-report/signature_result2013.html

2024年現在と比較するには経時的な隔たりがありますが、それでも
共同親権を要求する署名 5500  対 共同親権反対を要求する署名 205,380
約4倍ものひとが、当初案の共同親権法案には反対しています。多数派かどうか、という表現は好みませんが、多数ですね。

念のため署名サイトを『面会交流』で検索しましたが、トップ2件に
”DV虐待加害者と子どもの面会交流を強制しないでください”
”DV・虐待被害者の安全を守ってください!加害者との面会交流・共同親権に慎重な議論を求めます”
とでてきたのみ。慎重な運用を求める内容であって、推進の署名ではない。

多数派かどうかという表現は好みません(民主主義は数の暴力ではないんですよ)が。

共同親権推進派が活発に活動して、支持を得ているのなら、何故署名のひとつも見つからないのでしょう。 圧倒的多数とはそもそも言えないようです。
令和3年の内閣府調査では、条件付きならを含めると2/3以上も賛成だったのが、令和6年民間調査では賛成わずか20%にまで落ち込んでるのですから、

『共同親権は世界の潮流、日本は従うべき』

という長いものに巻かれろ理論に従う必要は無いと思います。

共同親権の拙速な導入に反対しています

流石に、#共同親権 まわりで言い方がよろしくない話を、選りによって表現の自由勢からも耳にしたのですよ。

まず、福原さんの単独親権悪用事例を批判するのと、今、日本で導入されようとする『制度設計もロクにできてない』共同親権に反対するのは、両立します。

悪用事例は批判する。

が、悪用事例をもって 『共同親権の反対者は、実子誘拐を容認する連中だ』 のように言うのは、藁人形論法というのです。

議論は常に誠実に。

情報視界の差はいかんともしがたい。

表現規制まわりで、過去の経歴からのnote記事が人気ある人が、共同親権推進の記事も書いてらっしゃるし。(私は一読して、丁重に反対のツイートをしたあと、二度と読まないことにした)

創作物規制でも、新型コロナワクチンでも、何でもそうなんですけど。
私を納得させるだけの証拠を提示してくれれば、きちんと意見を変更しますよ。

でも、 #共同親権 を導入して、
・夫婦の係争が減って子育てが円滑にうまくゆくようになった
・子の精神的安定が増し、成績や社会活動が活発になった
そういう感じの、査読付き論文が無いようです。

そういう論文や、きちんとした所の調査結果を持ってきていただけるなら、ちゃんと拝読したうえで、支持できる内容なら支持しますって言ってるのです。

えー、令和3年の内閣府『離婚と子育てに関する世論調査』を今頃持ってこようとする方へ。

より新しい、共同親権制度についての情報が周知された時点で行われた、こちらの調査結果の方が、信頼性が高いと評価します。

離婚後の「共同親権」について1,400人超のママたちが回答。「賛成」は2割にとどまる結果に

これも情報視界の差なのですが、 『私がフォローしている相手』には、実在する児童の保護、見守り、指導に関わるひとも居ます。
そういうひとが、書いてらしたのですよ。

「共同親権は制度設計もロクにしておらず現場に丸投げ、家裁はパンクすると悲鳴を上げている。共同親権で紛争が減ったという研究はない」(複数ツイートからの大意)

『実在する人の人権』は、私の軸足の置き所です。なのでそこから調べて、うっわやべーじゃんこの法案、なんでパブコメで反対意見多数なのに押し切ろうと
となったのが発端です。

『左派』だの『共産党』だの『立憲民主党』だの、党派名だけで人の政治信条を判定してはいけない。

「Aという件では前提情報自体がおかしな主張をしてる相手でも、
Bという件では最前線かつ、歴史を踏まえた情報量をもつまっとうな主張の持ち主」

というのは、ザラにいるんですよ。
例えば、創作物規制については規制大好き千田教授ですが、トランスジェンダリズムに対しては実在する児童の人権を擁護すべく、適切な論陣を張っています。
この程度で脳がバグるようなら、政治的にはお幼児ですわよ。

繰り返しますけど #共同親権 推進者たち、何故か

・自分の側が得をする/感情的に満足することしか考えてない
・対立する元伴侶を犯罪者呼ばわりして平気(そんなので共同親権を円滑に運用できるの?)
・子の最善の利益、とか子の福祉、といった言葉が、他の表現でも全然出てこない

こういう主張するひとたちに賛成しろって? 無理です。

下記のような事例を、「 #共同親権 なら防げた」などと言うのは、殺された子どもの命に対して、不誠実であると思います。

【ニュースの深層】離婚後の父が復讐鬼? 子供との「面会交流」で殺害の悲劇が止まらない sankei.com/article/2017… @Sankei_news より

本当にね、 #共同親権 を導入して、

・夫婦の係争が減り、円滑に子育てができるようになった
・子の精神的安定が増し、福祉が向上、成績や社会活動が活発になった

そういう、児童心理学なり児童教育なりの査読付き論文を証拠に出してくださいよ。
私を納得させるだけの証拠を提示してくれれば、きちんと意見を変更しますよ。

共同親権推進者ってやっぱやべーな

比較的言葉穏やかで、法律の用語散りばめた共同親権推進アカを情報視界に入れてるんですが。
もう一方の親(おそらく男性)にも親権を →分かる
法律の運用として、男女を平等に → まあ分かる
海外ではこうこう → それ、子の利益になってんの?
『子どもの最善の利益』って言葉が…… → 皆無!
って感じ。

”共同親権になれば、紛争は減るという研究結果は知る限りない” という一連のツリーはこちら。

こういう話に異論をつきつけたいなら、できるだけIFの高い査読付き論文誌に掲載された、論文をソースに出していただきたい。是非お待ちしている。

で、先の『比較的穏健な法律的用語散りばめたアカ』の話に戻るけど。
・『子の最善の利益』はいつTL見ても一言も出てきてない。
・片方の親(親権ないほう)を、改正した法律『共同親権』用いて、いかに気持ちよく満足させるか、という話をしてばかり。

なのですよ。

こういう人たちに、親権持たせても子どもいいことねーなー、という見事な範例です。

現時点での法律で行われる面会交流でさえ、『子どもの最善』じゃなく、『自分の満足のため』利用しようとする人がいる。高価なおもちゃなどで誘惑、誘導したり、今の親権者を貶めたり恫喝したりして、自分を好きになれ、感情を満足させろ、ってひと。

常々思うんだけど、
『共同親権で上手くいくようなカップルは、そもそも離婚しない』
んじゃね?
そもそも離婚するようなカップルって、どっちに親権が行っても、もらえない側は怨恨たれたれじゃね? ですよ。弱者男性とかそーゆーのは置いておいて(あの論の誘導姿勢が気に入らない)

ちなみに、何か横やりが入って『子ども庁』が『子ども家庭庁』に名称変更になった挙句、共同親権に関しては「家裁に丸投げ」って感じの話になりつつあります。そういう議員がいっちょかみしてきたからってのもある。
私としては、共同親権や実子誘拐を主張してる人間が上記のように『言葉を飾っても中身はこれもんやで』だと思っているし、そういう人間の利害を代表した議員には、子ども家庭庁に絡んでほしくないんですけど。表現の自由、という一点において参議院議員の山田太郎氏には期待するところ大ではあるが、じゃあ現実の子供を守るという部分の、具体的中身はこれでは……。明石の市長とか入ってきたし……うん。